かわずの目借り時

忘れない誰かと過ごした一夏の睡蓮
穏やかな水平線アヒルボートにのって

くたくたになるまで足を動かした後は
水没した海賊船を探しに行こう

揺れて消えていくのは
いつか捧げられた愛
隠し味はハチミツと一緒に
見えなくなるまで溶かして
永久に混ざり合いたい
何事もなかったと言われるそれまで

忘れない誰かと過ごした雪融けの立春
忘れない私に刻まれた証

熟れゆく果実を余所目に
狡いんだね君は
止まない雷雨に開かぬ傘

触れて癒えていくのは
創傷のせせらぎと
終わらない逢瀬を続けよう
いつだってそうなんだ
気づいたときには遅くって、
何事もないように息をするんだ

越える事の無い時間を越えて
もう一度その手に触れたい
幾ばくの心の欠片
いままた溶け合う

知りたいことはおいてきたよ
他は何も
空だってどこまでも青いから

揺れて消えていくのは
いつか捧げられた愛
隠し味はハチミツと一緒に
見えなくなるまで溶かして
永久に混ざり合いたい
何事もなかったと言われるそれまで
ちいさな容器が満たされるまでずっと
このままひとつに
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