雪幻花

まるで千年 降りつむような
雪は未練の 繰り言か
夜汽車の窓に 投げた雪の玉
ただの男の横顔が
憎い愛しい 雪国の恋

春になったら 迎えに行くと
何度手紙が 雪になる
寝がえり打てば 細い風の笛
たかが一夜のまぼろしが
胸を突き刺す 雪国の恋

赤い角巻 夜更けに羽織り
雪を掴めば 花になる
鏡にうつす ひとり夢芝居
情けないほど女です
憎い恋しい 雪国の恋
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