茜さす風

満員電車はカラカラと さまよい影が背中を撫でて
辿り着いた日常のフェンスの外から世界を眺めていた
物心つく頃には 愛はどこかにいなくなってた
家に帰ればテレビが薄暗い部屋を照らしてるだけ
ゆっくり太陽が西の空へ落ちていくように
いっそこのまま さいごのいっぽ
踏み込んでしまえたらいいんだけど
嘘つきで 弱虫で わがままで 不器用で
それでも強がって生きてきたのは
大嫌いな自分のこといつか
許してあげられるかもしれないから
誰かのためじゃなく 誰かのせいでもなく
私が今ここに生きていること
変われなくてもいい 頑張れなくてもいい
茜さす風 私も連れて行ってよ

「悲しいことがあった」と笑って話す君が怖くて
でも楽しいことばかり選んでいるのはもっと嫌いで
誰かと解り合うなんて ましてや愛することなんて
できやしないと意固地になって
すべてを傷つけてきたけど
誰かが叫んだ 「私も死にたい」と
なぜだろう 涙が止まらくなった
解らなくてもいい 愛せなくてもいい
いつか必ず笑える日が来るから

いじわるで 泣き虫で 臆病で 役立たずで
それでもここまでやってきたのは
こんな自分でも
何か生きてる理由があるのかもしれないから
誰かのためじゃなく 誰かのせいでもなく
私が今ここに生きていること
変われなくてもいい 頑張れなくてもいい
茜さす風 明日へ連れて行ってよ
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