朱鷺

雪を割り咲く花が 薄紅に島を染めれば
長すぎた時を忘れて 山は息を吹き返す

この島で夢を見て この島で夢からさめる
都会に出る船の汽笛が 風にかき消されてく

梅雨を彩る紫陽花 夕映えの凪に浮かぶ舟
強い海風 耐える岩ユリ 二人はここで大人になった

この島でめぐり会い この島で君に手を振る
朱鷺が舞う空を見上げて 君と生きてゆけたら

待ちこがれた村祭り 手をつなぎ抱いた杉の幹
稲穂が頭たらすあぜ道 二人はここで大人になった

またひとつ夢を見て またひとつ夢からさめる
島を出る船の汽笛が 波にうち消されてゆく

この島でめぐり会い この島で君に手を振る
朱鷺が舞う空を夢見て 君の面影さがす
君の面影さがす
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