朝焼けの亡霊

朝焼けの亡霊が 僕に話しかける
「おいでジョセフィーン
僕の空飛ぶマシーンにのって」
古い唄を真似して

「難しそうな顔を するのはやめて僕と
おもしろおかしく 暮らそう」

僕は行けない 今は行けないよ
ただひとつ 欲しいものがあるんだ
だから行けない
だけどまたすぐに会えるだろう?

ごめんね
朝焼けの亡霊

朝焼けの亡霊は スピードを上げたがる
「年老いた生物って
誰でもスロウになるぜ」って
退屈な未来を嗤う

未来が退屈だって 広くも狭くもなくたって
僕はただそれを知りたい

だから行けない 今は行けないよ
この胸を震わす 唄があるんだ
だから行けない
だけどまたすぐに会えるだろ

ごめんね
朝焼けの亡霊

海岸線をゆく 蒼白い雲
僕の事を待ってる
そんな気がしている

だから降りない
この道を走るよ
配られた 頼りない運命でもいい
ここにいたい
この道を走るよ
まだ何ひとつ知らないから

砂漠に沈む夕陽も 舞い上がる粉雪の鏡も
僕は知らない
この目に焼き付けたいよ
そしていつか君に話すだろう
亡霊
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