細うで一代記

女伊達らに 地下足袋はいて
泥んこまみれで 砂を噛む
欲をかいたら 人まで逃げる
無欲無心で 今日がある
細うで一代 胸で泣く

雨はいのちの 水でもあるが
時には家業の 邪魔になる
好いた惚れたの 色恋などは
遠いむかしの 枯れ尾花
細うで一代 夢舞台

お腹痛めた 乳のみ子抱いて
片親ぐらしの 詫びをいう
時代(とき)の流れは この世のさだめ
あとはこの子に たくします
細うで一代 女ゆえ
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