明治一代女

浮いた浮いたと浜町河岸に
浮かれ柳のはずかしや
人目しのんで小舟を出せば
すねた夜風が邪魔をする

怨みますまいこの世の事は
仕掛け花火に似た命
もえて散る間に舞台が変わる
まして女はなおさらに

意地も人情も浮世にゃ勝てぬ
みんなはかない水の泡沫(あわ)
泣いちゃならぬと言いつつ泣いて
月にくずれる影法師
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