酔花火

行ってはいやです もうあなた
うしろ手で引く  花障子
抱かせて下さい 女から
火の川伝(づた)いの この恋を
吐息めらして 超えるたび
女 彩(いろ)どる 酔花火

男が光りを 失すのは
いいも悪いも 女から
いつでも祈って いるのです
あなたの一生 誰よりも
華であってと 心から
女 ひと夜の 酔花火

そこまであなたを 送らせて
着物ひと色 落としましょう
生きられますとも 負けないで
男と女の 背負い水
そうよこの手に 受けとめて
女 ひとすじ 酔花火
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