夏まぼろしの

蜩の空に 夕焼け雲が流れ
畦道を行けば 灯る祭りの明かり
湯上がりの髪が 風の匂いを変えた
ふりかえる影は こぼれた花のように

夏まぼろしの 時の迷い子
遠いあの日に いまも手を引かれ

なにも応えない 月にひとり
ひとりぼんやりと あなたを思えば
この心は まだ残り火
いつまでも いつまでも

せんこう花火が 星のかけらを弾く
つたない手紙は 渡しそびれたままに

夏まぼろしの 時の写し絵
遠いあの日は いまも鮮やかで

決して忘れない 夢にひとり
ひとり目を閉じて あなたを探して
この心は まだ残り火
いつまでも いつまでも

夏まぼろしの 時の迷い子
遠いあの日に いまも手を引かれ

なにも応えない 月にひとり
ひとりぼんやりと あなたに逢いたい
この心は まだ残り火
いつまでも いつまでも
この心は まだ残り火
いつまでも いつまでも
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