春いちりん

露地の花さえ 嵐に耐えて
咲いております いのちの限り
渡る世間の しのぶ坂
あなたと歩いて 行く道に
春を一輪
春を一輪 エエー 通しゃんせ

捨てたつもりの あの故里が
酔えば顔出す お酒がつらい
夜行列車の 遠あかり
なみだに浮かべる 望郷に
夢をともして
夢をともして エエー くだしゃんせ

浮世舞台が ぐるりと廻りゃ
泣いた数だけ 倖せくるわ
明日を断ち切る 向かい風
凍える情けの ひと枝に
春を一輪
春を一輪 エエー 通しゃんせ
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