北の鴎唄

山背が吠えれば こころも時化(しけ)る
今夜はお前と 朝まで酒づかり
荒くれ海にはョー 船もなく
カモメが凍えてョー 鳴くばかり
やん衆の港は 浜の女が情けの
炎(ひ)を燃やす
ヤーレンソーラン 飲み明かせ
明日は別れる お前でも

今夜はどっぷり 惚れてやる
出たとこ勝負の 男の海は
命も宝も オンボロ船まかせ
情けをかければ ョー辛くなる
未練は波間にョー 捨てて行け
やん衆のこころは 陸(おか)のカッパと
ひと味違うだろ
ヤーレンソーラン 風よ吹け
荒らくれ権蔵の 深なさけ
今夜はびっしり みせてやる

ヤーレンソーラン 海よ哭け
最初で最後の 夜だから
今夜はぎっちり 抱いてやる
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