恋鏡

あゝ いのちが……
いのちがやせるほど
あなたを
あなたを好きで たまらない
部屋に射しこむ 日暮れの寒さ
心の中の泣き虫を
叱って下さい もう一度

あゝ 夕陽が……
夕陽が沈むなら
あなたを
あなたを連れて 来て欲しい
ひとり紅ひく 鏡の中に
想い出だけが 映るよに
灯りを下さい もう一度

あゝ 涙を……
涙を指につけ
あなたの
あなたの名前 書いてみる
悩みぬいても 行き着く先は
死ぬほど募る この思い
帰って下さい もう一度
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