砂の睡り

少しずつ
愛が色褪せてゆく
ふたり今もこうして
抱きあっているのに

柔かい月が
影を刻む
きみの裸の胸に
痕のように

訳もなく
悲しくてふたりは
訳もなく
くちびるを重ねる

そして
砂のような
睡りに堕ちてゆくよ
砂のように
渇いた
夢を見るよ
ふたり

耳もとで
愛を囁くたび
きみの裸の胸が
震える

訳もなく
さよならを言えずに
もう一度
くちびるを重ねる

そして砂のような
睡りに堕ちてゆくよ
砂の上で
ぼくらは
ふたりきりさ
いつも

訳もなく
悲しくてふたりは
もう一度
くちびるを重ねる

やがて
夢は醒めて
すべてが
消えてしまう
砂のように
指から
こぼれてゆく
愛が
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