キングサーモンのいる島

キングサーモン 川面を跳ねて
白い息を吐けば
辺りは 愈々 寒くなる
オホーツクの果て 波の上に
ユラリユラユラ
そんな 小さな島がある

橋の上で 僕は
手袋や 帽子の上から浸み透る
寒さに打たれて
立ち嫡む
その時 きっと

キングサーモン 忘れているよ
氷の夜が来れば
おまえの行き場が 消えて行く
オホーツクの果て 波の上に
ユラリユラユラ
そんな 小さな島がある

橋の上で 僕は
眠りながら 考える

キングサーモンの熱いステーキが
食べたいなあ

キングサーモン
オホーツクの海にも
夜のテーブルの上にも
姿が見えない
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