東の国から

東の国から風に乗り
君の町まで飛んで来たのさ
知らない名前になると言う
短い手紙を受け取り
何もかも捨て迎えに来たよ

都会に暮しに疲れたと
僕の前から突然消えた
忘れることなど出来ないよ
夜更けの雨戸をたたいて
振り向く君の笑顔を見たい

ため息ついては遠くを見つめる
駅前通りの喫茶店
御免なさいねの一言だったよ
無理して明るくふるまう僕さ

春風吹く頃二人なら
並木通りも花やぐだろう
遅すぎたんだねこの指輪
ポケットに入れ持って来た
このまま君に見せずにおこう

つれなく手を振る背中がつらいよ
悲しみ深まる日暮れ道
式には出てねの一言だったよ
すべては僕の一人芝居さ

東の国から飛んで来たのに
何もかも捨てて飛んで来たのに……
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