ガラスの腕時計

あの日から動かない
腕時計があるの
はかなげに淋しげに
時間が止まってる
あの人の心を変えた
いじわるな季節の流れ
何故かしらとても憎くて ああ
文字盤に小石ぶつけた

あの日から廻らない
二つの針がある
もう二度と重ならぬ
心が止まってる
ひび割れた硝子の中に
想い出がくるめく私
午前2時57分 ああ
哀しみを繕いとめている

あなたは黒い歯車
わたしは白い歯車
噛み合わないままに
月日が空廻り
あの日から動かない
腕時計があるの
さびついたぜんまいに
明日が止まってる
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