葡萄の森

葡萄の色に戦場もたそがれ ソルジャーも死人も元いた場所へ
タ暮れの中を突っこんでくあの娘 異国の歌を歌いながら
ラララ

衛荷の色に戦場もたそがれ エイリアンも聖者も手をつないで帰るよ
タ暮れの中を突っこんでくあの娘 勇ましく両手打ち鳴らして

古い友達を訪ねること 懸命に生きて汗を拭うこと
葉っばのうらで羽根をそろえ ちょっとだけ眠る蝶

歩道の紫陽花 通り雨ピカピカ 何千もの色をえて映えるね
ぼくたちもそれぞれに色を持ち くりかえしくりかえす日を愛でるのだ

新しい人に出逢えること 丁寧に暮らし汚れを拭くこと
手負いの獅子の浅い呼吸 美しい揺らぎ

お囃子の稽古の音がきこえる
お祭りをひかえたこの街の熱気
一瞬の夢はまもなく

見上げる星座 口あけてキラキラ 何千もの時を経て映えるね
きみの目に映る星いくつか 明日のため抱いて帰るのだ

都市や砂漠の戦場もたそがれ ソルジャーも死人も元いた場所へ
タ闇の中を突っこんでゆくあの娘
ちょっとふりむいて泣くように笑うのだ
ラララ

そうです ぼくらの生きた証さえ
遠く遠く蝶旋の尻切れ
そうです あの娘と生きた時間さえ
遠く遠く蝶鋼模様の空へ

そうです ぼくらは確かにここに暮らし
いくつものあかりを灯して
だれもが安心な航路を進むような
小さな祈りの朝を信じるのだ

ラララ ラララ
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