不殺の誓い

頬の傷だけが 知っている
不殺の誓い 立てた理由
最初の傷は 京の小道
月が満ちた夜だった

その後出会った運命の人
巴は清里の許嫁
復讐の炎に燃える女
知らずに結ばれて 愛し合った
女は俺を守る為 命落とした
女の愛がこの頬に
二つ目の刻印を刻み込み

愛する人を亡くした時
誓いを立てた
いつか 戦が終わって
新しい夜が明けたら
二度とは人に
刃(やいば)を向けないと

数え切れないほどの
敵と斬り結んだ
奪った命は 戻りはしない
生き残った者には
義務(つめと)がある

剣の力に頼らず造る
誰もが睦み合える国
他人(ひと)を愛(いつく)しむ心に満ちた
憎しみの思いが 消えた国

この刃は
不殺の誓いの証
この傷は
不殺の誓いの印
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