赤い傘

赤い蛇の目の傘をさして
それはまるで絵のように
あの女が私に振り向く

思い出すのはひとつの傘で
あの女の髪のにおい
雨宿り 恋の雨

ただ静かに濡れていた
板壁も 石畳も
こんな夕暮れ 恋をした
あなたの傘の中

若草のかおりをかぐように
もう一度この町を
訪れてみたいと思った

古都の夕暮れ 淡い憧れ
連子窓の細い小路
人もなくひとり歩く

時の流れに流されぬよう
話し疲れ 笑い疲れて
時にはすべての絆を解いて
夢の女に出逢ってみたい

こんな夕暮れ 恋をした
あなたの傘の中
こんな雨の日 恋をした
あなたの傘の中
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