キャンバスライフ

七色に煌めく蝶々 群れで空を舞う熱帯魚
正夢にはならない夢
海の底で眠る遺跡 まだ見ぬ宇宙の果ての闇
頭の中だけの景色 見せてやりたい

呪文要らずだし 生けにえも要らず
最低コストは ノートとペンだけ
熟練者であれば それだけで
何もかも 呼び出せる 禁じられた術

いいな いいな 絵が描けたら
キャンバスという 世界は君のものなんだから
いいな いいな 魔法使いだな
わかってもらえるんだから

夕焼けも 笑うあの子も
決して触れられないもの
それならせめて もう一度 僕に見せてよ

あれは八月の終わり頃 あの子は一コ上の子
暑さが和らぐ焦燥感も土の匂いも
ヒグラシのあのなんとも言えない叫び声も
僕の記憶だけに留めるなどあまりにも惜しく
お見せしたいのはやまやまなんですが
残念ながら僕にはそんな力もありません
お見せしたいんですが残念ながら僕には
伝えられないんだ

いいな いいな 絵が描けたら
キャンバスだったら 全部思い通りなんだろうな
いいな いいな 魔法使いだな
わかってもらえるってさ いいな いいな
表現力と説得力があるなんてさ 魔法だな
いいな いいな
わかってもらえるんだから

思い描く色と形 それを描く指から先
その先の誰かに伝わりますように
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