月灯り

肌を撫でる風 ひんやり冷たい夜の公園
ぽつりと浮かんでいる 満月だけが仄かに明るい

髪をかきあげる仕草が好きで
あなたに 思わず見とれてしまう
「次はいつ逢えるの?」と言いかけたら
言葉の代わりに 抱きしめてくれた

素直な気持ちを言えば
いつも 寂しくて 逢いたくて 不安だったよ
あなたの代わりになれる人はいないの
誰もいないの

終電が近くなって あなたは時計を気にしてる
帰りたくなくて つい口数が多くなってしまう

久しぶりに逢えた嬉しさが
だんだん 切なさに変わっていく
あなたを困らせるつもりはないのよ
勝手に涙が 零れ落ちる

月灯りが照らすから
泣いていることは 横向いても 隠せないね
何も言わなくていいから
もう少しだけ 抱きしめていて

今日が終わってしまえば
このぬくもりにも 笑顔にも しばらく逢えない
忙しいのは わかってる
だけど 今夜は 離れたくない

いつも 寂しくて 逢いたくて 不安なんだよ
次の満月が 空に浮かぶ前に
逢えますように
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