戦友の遺骨を抱いて

一番のりを やるんだと
力んで死んだ 戦友の
遺骨を抱いて 今入る
シンガポールの 街の朝

男だ なんで泣くものか
噛んでこらえた 感激も
山からおこる 万歳に
思わずほほが ぬれてくる

負けずぎらいの 戦友の
遺品(かたみ)の国旗(はた)を とりだして
雨によごれた 寄せ書きを
山の頂上に 立ててやる

友よみてくれ あの凪(な)いだ
マラッカ海の 十字星
夜を日についだ 進撃に
君とながめた あの星を

シンガポールは 陥としても
まだ進撃は これからだ
遺骨を抱いて 俺は行く
守ってくれよ 戦友よ
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