港は別れてゆくところ

白いお船が 着くたびに
もしやと 港に行ったっけ
そしてね……
そしてしょんぼり 涙ぐんでは
戻ってくるの
あゝ あの人は
外国航路の マドロスだった

死ぬほど愛した ふたりでも
港は 別れてゆくところ
だからね……
だからいまさら 泣いてみたって
仕方がないさ
あゝ 夢だもの
誰でも一度は 見る夢だもの

手紙がいっぺん あったきり
あの人 あの船なぜ来ない
いつもね……
いつもひとりで 海を見ている
風見の鳥よ
あゝ 汐風が
噂をしてたら 聞かせておくれ
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