生まれかわれそうな夏

ベランダの椅子 風そよぎ
静かなテラスで うたたねすれば
去年の夏のフォトグラフ
少しは色あせる

あきらめもためいきも
このまま眠ってしまえば
ああ知らぬまに星に
変わってゆくはず

ゲームにはしゃぐ人もいない
国道きっと渋滞してる
みんなに君をあわせたこと
今ごろくやんでる

冗談もなぐさめも
冷えた空気に溶ければ
FMのニュースも
ここではなんだか遠い

空に近かった夏よ
ねむれないでいた夏よ
何かを見つけた夏よ
もうかえらないね君は

氷がとけて音をたて
あやうくころげて落ちそうになる
恋にいつでも寝ちがえて
勝手な肩こりさ

突然に目覚めたら
おだやかすぎてせつない
何かにふいに
生まれかわれそうな午後

森が光ってた夏よ
どきどきしていた夏よ
風が見えていた夏よ
まだ夢みているよ僕は

今ごろ君は暑い
浜辺のビーナス
Nn… そして誰かの腕の中で

瞳うるんでた夏よ
ふざけすぎていた夏よ
忘れられないよ君を
永遠かんじた夏よ

森が光ってた夏よ
どきどきしていた夏よ
風が見えていた夏よ
まだ夢みているよ僕は

空に近かった夏よ
ねむれないでいた夏よ
何かを見つけた夏よ
もうかえらないね君は
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