さいはての男

さいはての砂を つかんで海鳴りに
声をこらえて 泣いた俺
結ばぬ恋なら 死のうといった
あの娘も 泣いているだろうか
ああ はるかな はるかな瞳よ

しあわせになって おくれと別れたが
俺もあの娘も 傷ついた
波間に漂う 流木のように
あきらめだけの 北の旅
ああ はてなき はてなき愁いよ

さいはての海は 嘆きの恋よりも
辛く悲しく 風に泣く
あの娘を偲べば 唇色の
浜茄子の花 砂に散る
ああ 霧笛が 霧笛が咽ぶよ
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