影になる

どこか木陰から
歌が洩れてきた
喋りそうな月は
鈍いオレンジ

やがて日暮れて
ひとり置き去りで

君の影が
その背中から
しらけた顔で
ちぎれていく

あぁ
わがままの罰で
とぎれた姿の
君がダメになる

薄れた影は
君を置き去りで

「…探さないで」
影が消えてく

寂しくなり
仕方なくて、とにかく
誰かに声を
聞かせたくなる
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