彼に片思い

いつもと同じように
あの坂の上から彼が走って来る
少し陽に焼けててセーターが似合うね
急いで、バスが出るわ

もう5分だけ早起きなさい
彼女はいないの?

あわてる顔を見てると
なんだか心配になるのよ
声をかけてみたいけれど
きっかけが何もなくて
今日も片思い

挨拶ぐらいなら
してもいいじゃないと自分に言い聞かせる
おかしいわね恋は初めてじゃないのに
胸がキュンとするわ

早く明日になればいいなんて
思う帰り道

見たことのあるセーター
でも一人じゃないと気づいた
とてもやさしそうな顔で
そっと肩に手をかけてる
こんな偶然 出来すぎてるわ
恋人はいないなんて
勝手に決めたのは私ね
始まらずに終わる恋に
こんなものよとごまかした
彼に片思い
×