恋文

電話をしても 前とは違う
別れの言葉が 怖いから
手紙を書きます
冬路を旅する あゝ 頼りなさ
文字も心も 乱れがち
みちのく 雪舞う 夜汽車……

何度も家(うち)の そばまで行って
勇気がないから 遠見だけ
手紙を書きます
噂もきいてる あゝ 噂です
情けないほど 好きだから
返事はいらない あなた……

宛(あて)なく駅を 降りてくように
消しては破いて 書きおえた
手紙を出します
女と男の あゝ 夢違い
一夜泊(いちやどま)りで 帰ります
みちのく 雪舞う 宿で……
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