クロノグラフ

近づいて 重なって 触れて離れて
近づいて 重なって 揺れては消えて

暖かい風が吹く いつもの道と履きなれた靴
変わらない今日が終われば君がいない明日がくる
何十回目を閉じたって じっとしててくれない涙
散っては空を舞う花びらに視線を移して誤魔化した
どんな言葉を探しても見つからない
せめて最後くらいはと無理に作る笑顔は歪な形

言い慣れたはずのありがとうが 言えずにいた
口から出たなら 過去になるから

いつか こんな日が来るなんてわかってた
だけどそれは だからそれが
痛くて痛くて
いつか じゃなく今 君が見てるから
一つでも多く笑って見せた

思えばろくでもない事の方がどうも君といると多かった
あんまり器用じゃないのはお互い様だから尚更困ったもんだった
何かと道に迷うし 忘れ物もしてきた一通り
どうにもこうにもいかない時には任せてたな愛嬌に
一人でやれるか心配だよ「お前もな」ってムキになんなよ
下らない事ばかりを話して もう日が暮れる夕下がり

言いたくはないよサヨナラは だってきっと
口から出たなら 戻れないから

いつか 思い出は遠ざかるのなら
せめて今は だから今は
近くで見たくて
いつか またいつか笑える日が来るさ
そう言って僕も君も泣いた

流れてく時間に逆らう様に
ずっとずっと君と
重なって離れて泣いて笑って
きっときっと僕ら 明日へ行くんだ

いつか こんな日が来るなんてわかってた
だけどそれは だからそれが
痛くて痛くて
いつか じゃなく今 君が見てるから
一つでも多く笑って見せた

いつか もう一度また会う日が来たら
いつもそこに 変わらない
僕でいるから
いつか もう一度また会うその日まで

「サヨナラ」「ありがとう」君へ送ろう。
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