真夏のかけら

きつく結わえた 髪をなでる爽風
片蔭の切れ端
息を切らして 重いペダルを漕いだ
あの丘の上まで

瞬くことさえ許さない 強くささる光が
私の胸の奥で 弾ける音がしたの

優しく掬い上げた 真夏の欠片
いつか色褪せてしまっても 忘れないで

遠く離れた あなたの元へ行こう
電話越しの声に
耳を澄まして 夢の続きを読んだ
真夜中の果てまで

つまずくことさえ許さない つらく当たる光が
私の胸の奥で こぼれる音がしたの

密かに紡ぎあげた 真夏の記憶
いつか古ぼけてしまっても 忘れないわ

とろり 微睡むあなたを見つめて
ちくり刺す時の針をそっと抜いた
いつまでもそばにいて

優しく掬い上げた 真夏の欠片
いつか色褪せてしまっても 忘れないで

密かに紡ぎあげた 真夏の記憶
いつか古ぼけてしまっても 忘れないわ
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