望郷しぐれ

汽笛がどこかで すすり哭く
淋しさしみる ひとり酒
あばよさよなら 故郷と
すてたあの夜の 里あかり
あゝゝなんでいまさら 恋しがる

小さなつぼみも それなりに
咲かせることが できたろに
ひとり東京の 片すみで
呼んでみたって とどかない
あゝゝ風が身に泌む 他人町

つかめば指から こぼれてく
叶わぬものが 夢なのか
あばよさよなら 故郷は
今日もしぐれか 雪の華
あゝゝ落ちる涙に 月灯り
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