忘れたくない恋

忘れたくない恋だけど
手紙をあなたに綴った
二人の出会いからの話
ポストに入れたら赤くもえた

あんなに熱い心寄せ合って
降りしきる雨の日に二人
さしたひとつの傘も
今はすぼめたままひらかない

銀杏並木が色づいた
季節になると思い出す
あなたの最後の姿
足早に歩く靴音

木の葉が散りおちて
雪のように舞い 凍えそうな
冬も 二人しのいだ部屋に
もう 灯りさえともらない

あしたは忘れるためのシールで閉じた
この手紙があなたに届けば
それで一つの恋にさようなら
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