喜びも悲しみも幾歳月

俺ら岬の 灯台守は
妻と二人で 沖行く船の
無事を祈って 灯をかざす灯をかざす

冬が来たぞと 海鳥啼けば
北は雪国 吹雪の夜の
沖に霧笛が 呼びかける呼びかける

離れ小島に 南の風が
吹けば春来る 花の香便り
遠い故郷 思い出す思い出す

朝(あした)に夕(ゆうべ)に 入船出船
妻よがんばれ 涙をぬぐえ
もえてきらめく 夏の海夏の海

星を数えて 波の音きいて
妻と過した 幾歳月の
よろこび悲しみ 目に浮かぶ目に浮かぶ
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