あの子のあの頃

夜の表情探す何処?
夜も色濃く残る頃

歩道橋の下、鉄道
まるで軌道沿う惑星
すれ違い
ロマンチックに眺めたいって
騒ぐ胸に踊るくちびる
ざわつけば
ときめきが久々にからかう

いっこうに見せた事の無い
一方的な訪れは
近頃珍しい事ですね
変ね
戻って来れるとすれば
二十歳的な立ち振る舞いで
すらりとかわしてゆく

あの日の行方は
忘れた訳無いから
思い出して笑って
話してみても大丈夫
冗談みたいなホントかどうか
尾ひれのついた話です
あの子のあの頃の様な

救急車
ドップラー
高ぶるわ
今日な一大事は過ぎ行く薄情な平常心
喧騒終えた空き地には
残る水道の蛇口が
短い間で降板のヒロイン
ゆっくり蛇口に口を近づけ
飲みほしてすすり泣き
舌をゆすぐ

裸足の生の足跡
探したく無い足音
屈んで拾う傷跡
憶えています先程

この後

近所のボクにも読めぬ結末
願う切実な筆圧がくつがえすのを見守る

夜も、もう遠く 戻る何処へ?

夜も、もう遠く 戻る鼓動
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