幻の宝

幻の宝 家族総出の宝探し おじいちゃん ポックリ天国逝っちゃった夜に
見つけられるかな? 広い屋敷を駆け巡る
おじいちゃんに線香さえあげずに (通夜 通夜 通夜)

「金モノはどこだ!?」父がダイナミックに畳を剥がして地面を掘り
「どこに隠したの!?」と 母がヒステリックにふすまを包丁で切り刻む

悲しみさえ打ち消すのは欲望か 命は決して2度と戻らないのに…
でも レッツゴー!次の部屋

幻の宝 おばあちゃんに聞きたいけれど
すでにボケちゃってて 記憶何もない
伝説の刀 あるはずと言ってたじゃないか
おじいちゃんは棺桶の中 口無し

おじいちゃんは生前 お金持ちと巷で噂が流れていた
海外オークションで ピカソの画を落札したと有名だった

金持ちに群がる人間は 心に穴が開いた寂しい人だ…
さて レッツゴー!次の部屋

幻の宝 ホコリまみれの倉庫には 泥だらけの長靴が 二足あっただけ
「この巻物何!?」 妹が偽物らしき遺品を1つだけ見つけた

マンジョウ ボウザイ ロクゼン シンジョウ
ノウバク タンガン カンジョウ ライボウ
ドウゴク コウライ ニンゼン アイゾウ
ルイボウ ノウラク カンザイ ナイジョウ

犬小屋の中 もぐり込んで 探してみても 無い無い無い無い!
トイレのタンク フタ外して 覗いてみても 無い無い無い無い!
おじいちゃんの大事な盆栽を 叩き割っても 無い無い無い無い!
棺桶開けて おじいちゃんの服脱がしても 無い無い無い無い!
無い無い無い無い無い無い無い無い……バー!

幻の宝 最後の部屋に辿り着いて
押し入れの中見たら 大きな金庫を見つけた
みんなの笑顔がホラー映画よりも怖く
家族の本当の姿を見ちゃったよ (おそろしや)

幻の宝 固唾を飲んで見つめる中 金庫開けてみたら たった1枚の手紙
「みんなに大好きだよ。」と おじいちゃんの震える文字で
最後の遺言に 僕らは涙溢れ 本当の宝物を手に入れたのさ
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