女の小部屋

顔の化粧を 落すたび
いまもいまも眼許(めもと)が 濡れてくる
夜が切ない 女の小部屋
別れた後も 逢いにくる
面影だけの あなたなら
抱かれて燃える 夢はない

冷えて離れた 心なら
恋は恋はこの世の 絵空事(えそらごと)
みれん木枯(こがらし) 女の小部屋
信じた愛の 抜け殻は
みじめさだけが 唯(ただ)残り
無口で過す 冬がくる

外は雪やら 独(ひと)り寝の
寒さ寒さまぎらす 怨み酒
ここはみちのく 女の小部屋
氷柱(つらら)はいつか 溶けるのに
幸せ薄い 人生の
私の春は どこにある
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