不思議な樹

けさ起きたら頭なんだか重くて
暑くて寒いような気がして
学校はお休み うちで寝てなさいって

ひんやりとしめったふとんの中
ママがいて絵本を読んでくれるのを
ぼんやり聴いてると頭がぐらぐらになる

ジャックとボクと牛をひっぱって
ジャックとボクと市場を歩いて
ジャックとボクときれいな豆を買った

貝殻やせみのぬけがらたちが
晩ごはんに帰るボクのおみやげ
ママはいつだって窓から捨ててしまう

ジャックとボクと窓辺で泣いた
ジャックとボクと涙あつめて
ジャックとボクと豆つぶにかけた

闇の沈黙吸って不思議な梢のびる
おとなたち眠るとき妖精たちはばたく

夜中にこわい夢を見たんだ
捨てられた宝物が芽をだして
ボクの体を縛ってしまうんだ

ジャックとボクと豆の木のぼって
ジャックとボクとめんどり見つけて
ジャックとボクと大男たおした

闇の沈黙吸って不思議な梢のびる
おとなたち眠るとき妖精たちはばたく
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