面白山の滝

待っても帰らない あんたは何処(どこ)にいる
逢ったら言いたいよ 恨み言のひとつも
駅へ三里の 村を出るとき
一年経ったら帰って来ると
誓ったあんたの約束は 嘘だった

リンゴ噛み噛み あんたは打ち明けた
「おらはお前を離しはしない」
やさしく抱き寄せた

汽笛が轟(とどろ)いて 芋煮の汽車が行く
高瀬の紅花が 散っても来ないあんたは
馬鹿な女と 思うでしょうが
私にゃ一生一度の恋よ
消さずに燃やしていたいのさ 恋の火を

ひと目逢いたいよ 面白山(おもしろやま)の上
遠くを見ていたら なぜか胸が切ない
野面(のづら)チラチラと 浮かんで泣ける
涙がぽろぽろ流れて落ちる
面白山の滝の水 なみだ水
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