母桜

おまえと一緒に 育てる木だと
母は私のために 植えてくれました
桜の花咲く 春の日は
母のぬくもり恋しくて 汽車に乗る
そよ風に 揺れながら 陽(ひ)に映えて
楚々(そそ)として 麗(うるわ)しく 咲く母桜

わたしが産んだ 「一人娘よ」
母はくちぐせのように いつも言っていた
エプロン姿が 似合ってた
いつも家族を大切に 生きている
四方(よも)の嵐(かぜ) 身に受けて 負けないで
青い空 ふんわりと 咲く母桜

わたしと母との 描いた夢を
いつか叶える日まで 守り続けたい
今年も もうすぐ 春が来る
庭の桜が咲く頃に 帰ります
冬の雪 春の雪 乗り越えて
凛として 華やかに 咲く母桜
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