流氷哀歌

流氷みたいに 流されて
いつしか居着いた 北の果て
どこで生きても 同(おんな)じと
煙草を吹かせば すきま風
霙(みぞれ)の夜は 客もなく
薬缶(やかん)がシュルシュルシュル 鳴るばかり

寝床で囁く 優しさを
本気にするのは あほう鳥
騙(だま)し騙(だま)され 泣かされて
気がつきゃやっぱり 一人きり
それでもぬくもり 恋しくて
素肌がチリチリチリ 泣くばかり

小銭を貯めてる 酒の瓶
何(なん)にもあてなど ないけれど
ひとり飲みほす 燗冷まし
苦さが躰に しみて行く
故郷なんかにゃ 帰らない
流氷ギシギシギシ 鳴るばかり
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