若い季節

白いズックが 駆けてくるたび
あいつのことが よみがえるのよ
隣り下宿に 住んでたあいつ
窓を開ければ 笑顔が見えた
ああ 愛しき人よ
プレイボーイを 気取ってるくせ
私にキスも せまれないのよ
純情なんです

屋根にのぼって U・F・Oを
見つけて足を すべらした人
夜中に起きて ブルース・リーの
真似をしながら 寝呆けたあいつ
ああ 憎めぬ人よ
いつもドジして 頭をかいた
だから私が そばにいないと
心配なんです

深夜放送 人生相談
馬鹿らしいよと ウソぶきながら
サラリーマンに なりたくないと
頭ひねって 悩んだあいつ
ああ やさしき人よ
人があきらめ 見捨てた夢を
地平線まで 追いかけてゆく
あなたが好きです

あいつがくれた 硝子の指輪
薄いサイフに 北風吹いた
ダイアモンドが 色褪せるほど
若い季節が 光ってました
ああ 恋しい人よ
隣り下宿を 越してったきり
どうしているか 風のうわさで
教えて下さい

ああ 懐かしき人よ
ただ いたずらに時は流れて
花火のように 炎えた青春
あなたはいません
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