Flower

夜露に濡れ その葉をたたむ
幼い頃の 姿で眠る

花は目覚め 月を仰ぐ
名はネムノキ 夏の夜の

満ちては欠けてゆく
星霜の果て
なくしたのだろうか
ソロモンの指輪を

光と闇がつくるモザイク

忘れられた 部屋の片隅
太陽さえも とどかぬまま

私は光に からだを向ける
つつまれながら 渇いてゆく

あなたのその窓で
かぐわしく香る
優しいその指が
触れてくれる日を待ち

恋しいエデンを夢見ながら
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