思い出せないことばかり

そよかぜは そよ風は
旅の心に ゆれながら
林の奥の 湖の
静かな水に よりそうて
『何か忘れて いるような
思い出せない ことばかり』

うきぐもは 浮き雲は
風の誘いに ゆれながら
楽しく咲いた ひまわりの
明るい顔に 影よせて
『何か忘れて いるような
思い出せない ことばかり』

ゆくひとは 行く人は
遠い想いに ゆれながら
心を抱いて 思い出の
楽しい町を ふりかえり
『何か忘れて いるような
思い出せない ことばかり』
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