さすらいの湖畔

さすらいの さすらいの
乗合馬車の笛の音は 笛の音は
旅をゆく子の咽びなき
ああ、高原の湖くれて
岸の旅籠の燈もうるむ

思い出の 思い出の
泪のワルツ あの人の あの人の
忘れられない事ばかり
ああ、白樺の梢にかゝる
月もあの夜に見た月か

さすらいの さすらいの
乗合馬車の片隅に 肩さむく
揺られ揺られてゆく青春(はる)か
ああ、別れては面影一つ
抱いて泣くよと誰か知る
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