裏町の女

街を捨てよか 恋に生きようか
霧も冷たい 裏通り
聞くんじゃなかった 身の上ばなし
安宿の女が 今夜も
窓辺で 泣いている

ギターひとつが せめての頼り
チョッピリ泣きたい 夜もある
云わなきゃ良かった 慰めなんか
トレモロもやけに 今夜は
咽んで 泣いている

ほんのはずみで 語った夜が
胸に錆びつく 流し唄
見るんじゃなかった 酒場の蔭で
安宿の女が 今夜も
一人で 泣いている
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