枕酒

誘ってくれるな 淋しさよ
硬い地面を さまよう者(やつ)は
手を差し伸べる 夜が来りゃ
添い寝の影を 探すだけ
ねんねんころりよ ねんねしな
酒にもたれて 故郷(ふるさと)想い
男には 柔らかな
枕がひとつ あればいい

黙って見てたね 悲しみは
熱い火照(ほて)りも 消えないうちに
手を振りほどく 過去になり
次の背中に 旅をする
ねんねんころりよ ねんねしな
昨夜(ゆうべ)残した 爪あと消して
女には 真っさらな
布団(ふとん)がひとつ あればいい

笑ってくれるな 淋しさよ
春の枯葉じゃ 見向きもしない
手を振る暇も ないままに
時は舞い散る ひらひらと
ねんねんころりよ ねんねしな
酒にもたれて 女を想い
男には 柔らかな
枕がひとつ あればいい
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