あなたを奪えない

シャツの一枚も 歯ブラシさえも
ここには ひとつも 置いていないから

夜明けの気配が ただよう前に
やっぱり あなたは 行ってしまうのネ

柱時計を 気にとめながら
過ごす秘密の時間

ルールを越えた 向う側へは
飛んで行かれないから

今度いつ会えるの Tel(でんわ)いつくれるの
背中越しにのぞく 涼しい横顔は
何を暗示してる

たわむれのままで 終るつもりで
ひととき ふたりは 結ばれたけれど

あなたには帰る 場所があるから
大切な人を 犠牲にしないで

同じ苦しみ 持つ人だけを
今は身方につけて

目隠しのまま さまよいながら
恋の行くえにおびえ

置き忘れたものは 使いすてのライター
やがて消えてしまう あなたの靴音を
追いかけはしないは…
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