月夜に

月の満ち欠け 夜に遊ばれて
遠く果てなく 空にさまよう
グラスにワイン 月を浮かべては
まわす指先 溶けてゆく光(かげ)

どこへかえせばいい この淋しさ
すべり落ちたグラスに 散らばる月の破片

故人(いにしえびと)は 何を求めたのか
地平の彼方 幻をみた
行けど とどかぬ 長いその道は
やがて異境の 空に消えた

どこへ流れていく 時の舟よ
天の響き聞こえる 終わることのない旅
Ah―――――
赤く染まったドレスの すそもよう
気まぐれな風が ゆらしてく
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