小さな庭

わたしが この人を近いとき亡(うしな)うと知った日
空は青く 緑は風にきらめいていた

わたしのこころは さざなみに覆われ揺られているのに
世界はただ澄み渡り 小さな庭照らしていた

雲踏むような足取りで進む歩きなれたこの庭
零れ咲く小手毬 終わりかけの鈴蘭の馨り

嗚呼 世界は こんなにも残酷で美しい

わたしの悲しみなどお構いなしに 季節は変わらず移ろう
ただ全てを祝福して そして 受け容れる

喜びも悲しみも 生も死も 残る後悔も
世界はただ澄み渡り 小さな庭照らしていた

嗚呼 この世界は こんなにも残酷で美しい
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