彼と彼女

青くゆがんだ夜
天使さえ 立ち入れない

彼は彼のママのことを名前で呼ぶ
「彼女はね」って他人みたいな口ぶりで
うれしそうに話す

情熱的なメロディー
彼女のピアノ
電話の向こうで
今夜 会いたいと言う
わたしを 冷たく
遠ざけるように

青くゆがんだ夜
天使さえ 立ち入れない

感謝祭の人ごみで
偶然 彼と彼女を見つけたの
黒いシフォンのスーツの袖が
彼の腕にからみついていたわ
なぜ わたしは隠れたの
なぜ 街路樹の枝が いっせいにざわめいたの

でも 彼女は見た
本能の目が
わたしを捕えた
たぶん 恋の前では
女は 誰もが
平等なんだわ

風よ 彼に言って
時はすぐに 過ぎてゆくと
風よ 彼に言って
時はすぐ 過ぎてゆくと
la la la………
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